呉服店で長期間の保管中に変色した塩瀬の名古屋帯皮です。
こうした変色ヤケでも右の写真のように綺麗に直す事が出来ます。
反物状態で長年保存していた小紋で、折り山(約3尺位)がヤケてしまったものです。
塩瀬名古屋帯の変色直
知って得するミニ知識
私共の技術を駆使し白場の漂白をはじめ全体の色ヤケを補正したものです。これだけ地色の濃い色がここまでヤケてしまった場合、本来ならお断り申し上げる品物ですが、お客様の強い要望により、ついお引き受けしてしまいましたが、ここまで綺麗にする事が出来ました。加工代は通常の生け洗いしみぬき料金の4倍でお預かりしましたが、実際はそれ以上の手間がかかっております。
写真はブルー色の振袖です。仮エバ状態で展示している間に、地色がヤケてしまったものです。拡大してみますと白場もヤケて黄ばみも出てしまい最悪の状態です。
上記の写真は塩瀬の名古屋帯です。若い時に作ったもので、模様の赤が派手となり使用出来ないため、模様の赤の部分を銀で塗りつぶしたものです。しっくり落ち着いた色合いとなりました。
しみでは無い難点
しみは目に見えないとつい大丈夫と思いがちですが、実はこうした目に見えないしみ(汗・酒類・料理汁)が後々変色の原因となり、大切なお着物がしまって置く間に台無しになってしまう事が有ります。
しみ抜きを依頼する場合、低価格を売りとしている業者より、こうした隠れているしみ迄見逃さずに落としてくれるお店を選ぶ事が大切です。
しみを付けたのに、乾いてしまったら見えなくなったので大丈夫との自己判断 (小さなしみ1箇所でも)は大変危険です。
乾いたら見えなくなってしまったしみの場合、漠然としみが付いたと言う事でしみ抜きに出しますと、全体に霧を吹いて調べる事になり、加工代も割高になってしまう事が有ります。
そうした場合、しみの部分に糸で印を付け、何のしみかを説明して依頼する事により(検査の範囲も小さくなります)加工代を割安に抑える事が出来ます
銀 彩 加 工
上記の薄くなってしまった目の部分を補正したものです。
長期間仕舞ったままにしていた袋帯です。縫い取り模様の金の部分がカビにより黒く変色してしまったものです。
私共は、単に着物のしみや汚れを落としているだけでは有りません。着物業界の手入れに携わる業種には、洗い張り屋さん・抜き屋さん・紋糊屋さん・無地染め屋さん・ボカシ屋さん・小紋染め屋さん・模様師さん・染め工場・仕立て屋さん・紋章上絵屋さん等、多くの専門業者が存在しており、それぞれが専門店に分かれていて様々な難点が発生する場合が有ります。
そうした難点の解決するために相談するのが、私共しみぬき(染色補正)業で、言わば着物のお医者さと言っても良い位で、呉服店や染物店等に持ち込まれた難解な相談に応じ、着物に関するお悩みの全てを解決したりアドバイスをしたりの職業です。他の職種で失敗したものを正しく補正する職業で最も難しい職業でも有ります
紺色の塩瀬帯で模様の人形の目が薄くなってしまったものです。
黒い斑点に変色した帯をなんとか使用出切るにして欲しいとの要望に応え、金彩加工を施したものです。
●着物や帯の折ジワ消し ●着物の縮み・型崩れ直し(仕上げ) ●金箔のベタ付き直し ●裄を出した後の筋消し ●防水(撥水)加工 ●紋消し ●模様の描き足し ●ぼかしの合口合わせ ●しぼりの目落ち直し ●縫い筋の色違いの補正 ●模様の合口直し ●色ヤケ直し ●焼けコゲ ●カケハギ後の地直し ●その他諸々着物に関するご相談は何なりとお申し付け下さい